研究課題/領域番号 |
04670663
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
安東 醇 金沢大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50019915)
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研究分担者 |
真田 茂 金沢大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50020029)
平木 辰之助 金沢大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50019890)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 悪性腫瘍 / オートラジオグラフィ / ガリウム-67 / タリウム-201 / カリウム類似元素 / Na^+,K^+-ATPase / 炎症巣 |
研究概要 |
^<67>Ga、^<111>Inは悪性腫瘍組織の周辺部の炎症部位に大量に集積するが、^<201>Tl、^<42>K、^<86>Rb、^<134>Csは悪性腫瘍組織内の腫瘍細胞の生育部へ集積し、壊死部および炎症部への集積はほとんどなかった。これとは逆に同じアルカリ金属でも^<22>Naは壊死部に集積し、腫瘍細胞の生育部には集積しなかった。一方、^<167>Tm、^<169>Ybは炎症部にかなり多量に集積したが、^<67>Ga、^<111>Inとはやや異なった集積を示した。一方、^<46>Sc、^<51>Cr、^<95>Zr、^<95>Nb、^<181>Hf、^<182>Taは悪性腫瘍組織の炎症部への集積が極めて高く、腫瘍細胞の生育部および壊死部への集積は非常に少なかった。^<65>Zn、^<103>Pdは腫瘍細胞の生育部に多く集積し、壊死部および炎症部への集積はほとんど認められなかった。悪性腫瘍組織への^<22>Na、^<86>Rb、^<134>Csおよび^<201>Tlの集積に関しては、イオン半径が0.133nmを超え、組織中でイオンとして存在する1価の陽イオンは、生体内でカリウムイオンと類似の挙動をする。カリウムとカリウム類似元素(Tl、Rb、Cs)はNa^+,K^+一ATPase活性が高い生きた腫瘍細胞へ大量に取り込まれる。ナトリウムイオンは主に細胞外液中に存在するために、腫瘍細胞の生育部には集積せず、壊死部に集積すると考えられた。 ^<67>Gaは炎症巣へも多量に集積するので、^<67>Gaの炎症巣への集積を調べたところ、^<67>Gaは炎症巣の辺縁部に密集しており、好中球およびマクロファージが混在して浸潤した皮下組織に^<67>Gaの強い集積を認めた。この皮下組織で^<67>Gaは主に細胞間隙に存在していた。また炎症巣では血管透過性が非常に大きいことがわかった。これらのことから、^<67>Gaは炎症巣で透過性の亢進した血管から膿瘍の外側の好中球およびマクロファージが混在して浸潤した皮下組織へ多量に漏洩し、そこで細胞間隙に存在する酸性ムコ多糖に結合していると推定された。
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