研究概要 |
動物実験用磁気共鳴装置(2.0テスラ)を用いてmotion-probing-gradient(MPG)を印加したエコープラナー法による拡散強調画像を撮像し,みかけの拡散係数(apparent diffusion coefficient:ADC)を算出した。この方法により,正常脳および脳内主幹動脈をシリコン円柱で閉塞したWistar Ratの局所的虚血脳における拡散能の経時的変化を観察した。 〈結果〉 1、虚血巣を閉塞後1時間の時期に検出することができた。 2、脳組織の水のADCは自由水に比べrestricted diffusionの結果、低値を示した。 3、正常深部白質において異方性拡散が観察されたが,これはエミリン鞘の存在によると思われた。 4、虚血脳におけるADCの低下は閉塞後1〜3時間に急激におこり,24-48時間まで緩徐に低下がつづいた。閉塞後24-48時間には,深部白質の拡散異方性は完全に消失した。
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