研究課題/領域番号 |
04670672
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松永 尚文 長崎大学, 医学部, 助教授 (40157334)
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研究分担者 |
小川 洋二 長崎大学, 医学部, 医員
坂本 一郎 長崎大学, 医学部, 助手 (00225806)
林 邦昭 長崎大学, 医学部, 教授 (80039536)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 心筋梗塞 / MRI / Gd-DTPA / 造影MRI / 心機能解析 |
研究概要 |
心筋梗塞84例に対してGE社製SIGNA(1.5T)を用いて、Gd-DTPA投与前後におけるspin-echoを施行し、正常心筋と梗塞巣のコントラスト増強効果を信号強度比(infarct/normal ratio)で算出した結果、その比は13-18分、または21-26分の撮像でplateauに達し、45-50分の撮像まで持続しており、経時的変化が認められ、梗塞巣におけるGd-DTPAのwash-inとwash-outの動態を反映しているものと思われた。同効果は急性例で最も著明で、亜急性例、陳旧性例になるにつれて低下する傾向にあったが、発症から3か月以上経過した症例でもコントラスト増強効果の遷延化傾向がみられた。心筋SPECTと対比すると、Gd-DTPAでコントラスト増強効果の得られた部位よりも心筋SPECTでの欠損部がやや広めか同等に描出され、再分布のみられた部位には同効果は見られない傾向にあった。Gd-DTPAによる造影MRIは心筋梗塞の範囲、程度の判定に有用であるばかりでなく、経時的な観察により梗塞巣の修復過程を推測することが可能であった。Gd-DTPAによる造影MRIでは、梗塞巣を陽性描画でき、治療効果判定の一助になることが示唆され、従来の検査法では得られなかった結果を得ている。シネMRIによる心機能解析では、心機能パラメータ(駆出分画、拡張末期容積、駆出量)は、左室造影と比べるとやや低めに算出され、partial volume effect、スライス厚、断面の設定や左室内腔の辺縁のトレースの仕方、シネMRIからの拡張末期像と収縮末期像の正確な設定の困難さなど、今後検討する必要があると思われた。今後さらに症例を増やし、心筋梗塞をはじめ肥大型心筋症の心筋潅流などの病態の究明に迫って行きたい。
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