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1992 年度 実績報告書

精神分裂病様症状を呈する側頭葉てんかん患者の側頭葉機能と形態の変比に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670695
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

松浦 雅人  東京医科歯科大学, 医学部・神経精神医学教室, 講師 (60134673)

研究分担者 松島 英介  東京医科歯科大学, 医学部・神経精神医学教室, 助手 (50242186)
大久保 善朗  東京医科歯科大学, 医学部・神経精神医学教室, 助手 (20213663)
小島 卓也  日本大学, 医学部・精神神経科学教室, 教授 (40014203)
キーワード側頭葉てんかん / 精神分裂病様症状 / 側頭葉形態変化 / MRI計測 / 第三脳室
研究概要

精神分裂病様症状を呈する側頭葉てんかん患者の側頭葉の形態と機能についての研究を行った。対象はCT検査にて視察的に異常を認めない外来通院中の側頭葉てんかん患者30例(男13例、女17例)で、平均年齢は38±15歳であった。IQ50未満、あるいは義務教育を終了していない者は除いた。MRI計測は、OMラインに垂直で乳頭体を通る冠状断面を、スライス幅10mmでT1強調画像(TR1500ms、TI500ms、TE38ms)、T2強調画像(TR2000ms、TE111ms)にて撮影し、頭蓋内腔、大脳、左右側頭葉、左右測頭葉内側部、左右側脳室、第三脳室の断面積を測定した。すなわち、T1強調画像、T2強調画像から、T1計算画像を求め、実質部のintensityを指定し、同部位のpixel数を求め、直径10mm円内の平均値を計算し、頭蓋内腔の値との比を計算した。
ICD-10の基準に従い、器質性妄想性(分裂病様)障害の既往あるいは現症のある者を幻覚妄想群とし9例、他を非幻覚妄想群とし21例であった。幻覚妄想群の平均年齢と平均罹病期間は41±12歳と21±13年、非幻覚妄想群は37±15歳と13±11年で、前者がやや高齢で罹病期間も長い傾向はあるが有意差はなかった。両群で差のみられたのは、第三脳室の断面積が幻覚妄想群(0.6±0.3)の方が非幻覚妄想群(0.4±0.2)よりも大きい(p<0.01、分散分析)という結果のみであった。
側頭葉機能に注目し、脳波とSPECTについても検討したが両群で有意な差を認めなかった。幻覚妄想群の第三脳室が拡大している点については、精神分裂病でも同様な所見が報告されており、精神症状と第三脳室周囲の構造物の変化とがなんらかの関連をもつことを示しているのかもしれない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Matsuura,S.Ohbayashi Y.Okubo and T.Kojima: "The long-term prognosis of patients with temporal lobe epilepsy for more than 20 years." Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 46. 307 310 (1992)

  • [文献書誌] 松浦 雅人、大久保 善朗、大林 滋、松島 英介、小島 卓也、融 道男: "ゾニザミド投与中に幻覚妄想状態を呈したてんかんの8例" 精神医学. (1993)

  • [文献書誌] 先崎 章、大久保 善朗、阿部 哲夫、松浦 雅人、森岩 基、浅井 邦彦、融 道男: "側頭葉てんかん患者のMRIによる脳の形態変化に関する定量的検討" 精神医学. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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