研究課題/領域番号 |
04670696
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
三辺 義雄 国立精神・神経センター, 神経研究所, 室長 (60181947)
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研究分担者 |
柴田 良子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40216023)
谷井 靖之 富山医科薬科大学, 付属病院, 助手 (80227206)
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キーワード | 抗精神病薬 / ドーパミン / セロトニン / 細胞外単一記録 / キンドリング / 海馬体 |
研究概要 |
1、ドーパミン起始細胞の細胞外記録を用いた研究では本年度以下の結果がでた。 (1)セロトニン作動薬による研究では、セロトニン再とりこみ阻害作用を有するフルオキセチンがA10発火ドーパミン細胞数を増加させ、さらに発火をバースト化させた。逆にセロトニン枯渇剤であるPCPAは細胞数を減少させバースト率を減少させた。この結果は脳におけるドーパミンとセロトニンの相互作用を探る上で興味深い。さらにタキキニンリセプターのドーパミン機能修飾作用について検討した。 (2)依存性薬物(コカインetc)に対して高感受性を有する近交系ラット(Lewis)、低感受性を有する近交系ラット(Fisher)を用いドーパミン機能の種差を調べた。LewisはFisherに比べA9、A10における発火ドーパミン細胞数が少ない、バースト発火率が高い、A10におけるD_3リセプター感受性が亢進しているなどの結果が得られた。これらの結果は薬物依存の成因を探る上で興味深い。 海馬キンドリングモデルを用いた研究では本年度以下の結果が出た。 (1)てんかん発作発現の神経機序を探る上で海馬歯状回を2HZの電気刺激で刺激し同時に刺激部位にモノシナプティックな連絡を有する貫通路を刺激し電場電位で表される反回性抑制の変化を力動的に観察した。その結果、反回性抑制の崩壊は後発射出現の後に発生しNMDAリセプター、GABA-Aリセプターの阻害が発作閾値を上昇させた。 平成6年度はさらに現在の研究を発展させ抗精神病薬、抗てんかん薬の作用機序の解明に迫りたい。
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