研究概要 |
1、ドーパミン起始細胞の細胞外記録を用いた研究では本年度以下の結果がでた。 1)依存性薬物(コカインetc)に対して高感受性を有する近交系ラット(Lewis)、低感受性を有する近交系ラット(Fisher)を用いたドーパミン機能の差異の研究を続けた。LewisはFisherに比べA9、A10における発火ドーパミン細胞数が少ない、バースト発火率が高い、D3リセプター感受性が亢進しているなどの結果の他にハロペリドール投与による発火細胞数増加率がLewisが大であることが示された。 2)セロトニンとドーパミンの相互作用については前年度のPCPA,フロオキセチンのドーパミン機能に与える効果の差異をふまえ、今後は各セロトニンサブタイプ作動薬およびセロトニンに対する神経毒性を有する薬物(MDMA,PCAetc)のドーパミン機能に与える効果の研究の準備を進めた。 3)タキキニンアンタゴニスト(CP96345,SR48968)、ニューロテンシンアンタゴニスト(SR48692)がドーパミン機能を抑制した。 2、海馬キンドリングモデルを用いた研究では本年度以下の結果がでた。 各種GABA,イオンチャンネル、および興奮性アミノ酸作動薬のてんかん指標(発作閾値、発作持続時間)に与える効果スペクトラムについて検討した。その結果AMPA型リセプター作動薬の抗てんかん薬としての可能性を示唆した。 今後はさらにてんかん、てんかん性精神障害の治療に関する基礎研究を続けたい。
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