研究課題/領域番号 |
04670710
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山崎 晃資 東海大学医学部, 精神科, 教授 (50147170)
|
研究分担者 |
加藤 由起子 東海大学医学部, 精神科, 助手 (60246105)
林 雅次 東海大学医学部, 精神科, 助教授 (30096250)
|
キーワード | 自閉症 / 初期徴候 / 乳幼児期 / ビデオ記録 / 知覚行動 |
研究概要 |
東海大学病院精神科児童・青年外来を受診した自閉症児で、自閉症と気付かれる前からのビデオ記録を有する8例(男児、初診時年齢:2:0〜4:6歳)についての検討を行った。 まず、研究グループ全員でビデオ記録を観察し、初期徴候の可能性のある行動を自由に記述した。 次に、Adrien.J.Lらのホーム・ム-ビィ記録による研究を参考にして5項目のポイントを設定し、3期(I期:0〜0:6歳、II期:0:7〜1:0歳、III期:1:1〜2:0歳)に分けて複数の観察者によって評価した。 (1)社会的相互干渉の障害:視線が合わない・顔を見ない・強い刺激が与えられた時にのみ反応する(I期)、自発的微笑が乏しい・あやしても反応しない(II期)、人を見ない・反応が少ない・やりとり遊びがない(III期) (2)情緒的障害:微笑や表情が乏しい(I期)、感情表出が乏しい(II、III期) (3)視覚的・聴覚的行動:ゆらゆら動くものや光を凝視(I期)、光に反射する水面を凝視(II期)、水遊びに固執(III期) (4)筋トーヌスと運動の障害:筋トーヌスの低下・バランスが不安定・弛緩した姿勢・手を握ったままの這い這い(II、III期) (5)非定型的行動:自己刺激的行動・固執行動(II、III期) 以上をまとめると、社会的相互干渉の障害と情緒的障害は、0:6歳以前から見られ、1:1歳以後では全例に見られた。視覚的・聴覚的行動は、0:3歳から見られ、独特な知覚行動が見られた。筋トーヌスと運動の障害は0:7歳以後に見られ、非定型的行動は0:9歳以後に見られた。
|