研究課題/領域番号 |
04670720
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
棟方 隆 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10166233)
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研究分担者 |
坂田 博美 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50235157)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40091566)
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キーワード | ^<19>F核磁気共鳴スペクトル / 5FU(Fluorouracil) / Fluoronucleotide / Fluoro-β-alanin |
研究概要 |
本研究を達成するためには、まず^<19>F-NMRスペクトル測定条件を決定することが第一である。そこで当大学に既存する超伝導NMR装置(日本電子製GX-270WB FT-NMR)及び新たに設置された^<19>F用プローブを用い、至適濃度(50mg/ml)のフルオロウラシル含有したファントムから^<19>Fスペクトルを測定する基礎的検討を行った。その結果、フッ素共鳴周波数254.05MHz、測定観測幅100kHz、積算回数1回、測定時間1秒という測定条件でS/N比のよいローレンツ波形の^<19>F-NMRスペクトルが得られた。さらに実際の肝臓からの測定を行うために、実験動物としてウイスター系ラット(体重200g前後)を用い、摘出灌流肝モデルにおいて一定濃度のフッ素を含む灌流液で灌流し、肝における^<19>Fピークの信号強度と肝内濃度との関係を明らかにした。その結果、測定時間を10分間とした場合、約100nmolの肝内濃度で、ある程度のS/N比の^<19>F-NMRスペクトルが得られることが確認された。さらに臨床で頻繁に用いられる抗癌剤である5FU(フルオロウラシル)を灌流すると5FUピークの減少とその代謝産物であり抗癌作用を有するFluoro-nucleotides(FNucts)及び抗癌作用を有しないFluoro-β-alanin(FBal)の経時的変化が観察された。それぞれの代謝産物の化学シフトは5FUをOppmとすると3.85ppm及び-18.6ppmであった。なお現在実験肝腫瘍をラット肝に発生させ、同様の実験を準備中である。以上平成4年度に計画された研究はほぼ達成されている。
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