研究課題/領域番号 |
04670722
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大河内 信弘 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40213673)
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研究分担者 |
田口 喜雄 東北大学, 医学部, 助教授 (70004885)
佐藤 俊一 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (30162431)
加藤 博孝 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00240656)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部, 助手 (20192106)
里見 進 東北大学, 医学部, 講師 (00154120)
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キーワード | 肝移植 / フリーラジカル / 脂質過酸化障害 / 好中球 / ATPアーゼ / ミトコンドリア |
研究概要 |
1.保存ならびに移植血流再開による肝障害発生機序の解明 今年度は1)冷保存後復温酸素化によりミトコンドリア電子伝達系からラジカル発生が増加するか(NBT還元法)、2)実質細胞と非実質細胞を分離培養し冷保存の後復温酸素化の条件を与えラジカル発生の程度に差があるか(DCFH負荷蛍光測定法)、ならびに、3)再潅流開障害におけるフリー・ラジカルの主な発生原因と考えられる好中球が脂質過酸化障害にどのように関与しているかについてラットを用いて検討した。 [結果]1)ミトコンドリア電子伝達系からのラジカル発生量は、ミトコンドリアのATP産生能の低下とともに低下し再潅流時の脂質過酸化障害の原因になり得ないと考えられた。2)実質細胞は保存後再復温酸素化するとスパー・オキサイドを発生するが、非実質細胞はその発生を認めなかった。3)潅流液に好中球を添加した場合フリー・ラジカルの発生が観察され、脂質過酸化量も増加した。脂質過酸化量は、保存時間の長い肝においてより高値を示した。一方、リンパ球や、血清を潅流液に添加した場合はフリーラジカルの発生や脂質過酸化量の増加は認めなかった。以上のから、肝の再潅流障害において好中球は活性酸素の発生源となり、脂質過酸化障害を惹起するものと考えられた。 2.新しい肝viability判定法の開発 今年度はミトコンドリアの膜電位を正しく測定できる蛍光色素の濃度、基質の濃度、pHなどの検討を行った。アンチミシンで電子伝達系をブロックした後ATPを加えると電位変化を認めこの電位変化はオリゴマイシンにて消失した。本法は再現性もよく全測定時間は40分で充分臨床応用が可能であると考えられた。
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