研究課題
現在までの検討ではハムスターチークパウチを用いた虚血-再潅流モデルで、TRITC(tetramethyl Rhodamine iso-thiocyanate)標識アルブミンのチークパウチ微小循環内の空間的分布が検討された。画像解析装置に関して、当初はその解析プログラムを購入の予定であったが、顕微鏡標本観察に用いるソフトが転用可能なことが判明したため、今回の実験に用いることとした。標識アルブミンのチークパウチ内での漏出部位は微小血管の障害部位と考えられるが、実験結果は虚血-再潅流障害において有意に不規則な空間的分布をすることが示された。また注目すべきことは今回の検討で虚血のみでは標識アルブミンの「不均一」な空間的分布が出現しなかったことである。これは臨床的には虚血腸管の再潅流時にNa-fluorescenceを用いた場合に観察される腸管表面の縞状の文様と一致するものと考えられる。同様な結果は虚血肢を再潅流した時にNa-fluorescenceを用いても臨床的に観察される。以上より虚血-再潅流障害の発現は螢光プローブを用いて、障害部位の空間的分布を検討することで診断しうるものと考えられた。
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