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1993 年度 実績報告書

癌遺伝子の発現を抑制するアンチセンス分子を用いた癌遺伝子治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 04670740
研究機関九州大学

研究代表者

上尾 裕昭  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70150430)

研究分担者 村上 章  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
中島 秀彰  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20253528)
井上 裕  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90203249)
キーワードc-myc / 乳癌 / エストロゲン / アンチセンス分子 / 遺伝子治療
研究概要

今年度はc-mycに対するアンチセンス分子(AS/c-myc)を化学合成して培養ヒト乳癌細胞のエストロゲン(E_2)感受性に及ぼす影響、およびヌードマウス移植腫瘍に対するアンチセンス分子の局注効果について検討を加え、以下の知見を得た。
1.乳癌細胞のエストロゲン感受性に及ぼす影響:ヒト乳癌細胞(MCF-7)をE_2(-)培地で5日間培養後、E_2を添加すると細胞増殖が促進されたが、AS/c-mycを同時投与するとE_2による細胞増殖促進効果はブロックされた。一方、対照としたミスマッチ・コントロール分子(AS/c-mycと同じ塩基組成で、配列を無意味にしたもの)では、このようなブロック作用は認められなかった。このことより、乳癌細胞のE_2感受性の発現にはc-mycが重要な役割を演じていることが示された。
一方、MCF-7細胞のvariantの一つであるES-1細胞の増殖はE_2により抑制されたが、AS/c-mycを同時投与しても、E_2による増殖抑制効果はblockされず、E_2とAS/c-mycは相加的に細胞増殖を抑制した。
以上の結果より、AS/c-mycは2種類のタイプの乳癌細胞(E_2により増殖が促進されるものと抑制されるもの)のいずれにも増殖抑制効果を示すことが明らかとなり、乳癌に対するアンチセンス療法の有用性が示唆された。
2.ヌードマウス移植腫瘍に対する局注効果:ヌードマウスにヒト食道癌由来株細胞を移植して腫瘍形成後にAS/c-myc(10〓M)を局注。3週間後の組織像をみたところ、AS/c-myc投与群ではミスマッチ・コントロール分子投与群に比べ著明な腫瘍壊死像が認められた。
以上の結果より、人工的に化学合成したAS/c-mycを用いた治療は癌に対する遺伝子治療の一つとして、その効果が期待できると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 上尾 裕昭 他: "c-mycに対するアンチセンス分子によるヒト乳癌細胞のエストロゲン感受性の抑制" 日本外科学会雑誌. 95. 204-204 (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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