研究課題/領域番号 |
04670743
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 卓 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50205928)
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研究分担者 |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
岡崎 稔 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30160667)
岡崎 亮 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50213921)
高橋 秀史 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40231394)
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キーワード | 穿刺吸引細胞診 / 境界領域病変 / 癌遺伝子 / PCR / SSCP |
研究概要 |
穿刺吸引により得た細胞の、初代培養にて増殖させた細胞を用いる前に、摘出癌細胞組織片を用いて、癌関連遺伝子産物である、C-erbB2、P53等の発現の検討を加え、更にHSP-70、EGFRの組織発現の検索も加えて、癌の悪性化に関わるこれらの発現が患者の予後因子となり得るか否かを追求した。その結果として、C-erbB2は生化学的に定量したERと逆相関の傾向を示し、またP53はHSP-70の発現と逆相関を示すことが判明した。一方、ER値との比較検討においては、P53とEGFRとはERと逆相関を示し、HSP-70はERと有意に相関を示していることが得られた。注目できるのは、熱シヨック蛋白であるHSP-70の組織発現であり、HSP-70はERの機能調節に関わっていることが考えられ、その発現の減少はERの機能的変調を介して乳癌の悪性度に関連している可能性があると思われる。次年度においては、穿刺細胞の初代培養系を確立し、増殖させた細胞にての免疫組織染色及び病理染色を検討する一方において、C-erbB2、P53、HSP-70等のpreimerを用い、穿刺細胞より抽出したDNAをPCRにて増幅させ、次いでこれらより遺伝子変異の検出をsingle strand conformation polymorphism(SSCP)解析にて追求し、細胞診判定上、確診に難渋する境界領域病変における遺伝子診断の利用の可能性を追求、その組織診との相関、更に予後との関連に対しての検討を加えたい。
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