研究概要 |
1.組識不適合間の組み合わせのbeagle犬で我々が成功した免疫寛容導入法即ちrecipientへの全リンパ組識への選択的小量X線の照射と腎移植時のdonor骨髄移植および術後小量のFK506の3ケ月間の投与法の3者併用法とイヌ腎の3日間単純冷却(4℃)保存腎の自己移植が100%機能する成果を基にして本法の臨床応用のために(1)まずbeagle犬を用いて3日間保存自己腎の自己移植を検討し100%機能することをcreatininclearanceおよび%fractional excretinof Sodium(%FEN)を測定して自己腎と保存自己腎の移植腎で比較し、本保存法が十分に同種移植にも用いられることを確認したがその条件を再検討した。(2)移植用のdonor骨髄細胞を保存腎摘出時に骨髄搾割により採取し骨髄細胞に富んだbuffy coat分画をDMSO法により-80℃,3日間,10日間,14日間保存法を検討した結果、寛容原として必要な細胞数(平均2×10^8)に調整しviabilityも約80%以上で回収することが可能であった。(3)Recipientの術前リンパ組織照射法については現在我々の施行している方法即ち、150rad/日,3日間計450radを施行しているが本法は十分応用可能な方法であることが判明した。(4)現在本学で繁殖させた生後約1年前後のmongrel犬で同胞間のpairsを用いて腎同種移植片の生着の動態を検討中である。 2.移植片の生着成績に及ぼす本法の効果判定に重要な因子となるイヌの組織適合性抗原系(DLA)のDNAtypingを開始した。国際的に同定されたDLA-DRのsubregion,DRB allelesのnucleotide sequencesを参考にして11種のSSO Probeを作成し,まず我々が現有する24種類のbeagle犬からDNAをとり出しhybridizeさせる条件を設定した。さらにcolony hybridizeさせsequencingを行ない、DNAtypeを同定するとともに関連する新たな型を検索中である。
|