研究課題/領域番号 |
04670757
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
四釜 俊夫 秋田大学, 医学部, 助手 (40196366)
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研究分担者 |
橋本 正治 秋田大学, 医学部, 講師 (70175701)
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キーワード | エンドトキシン血症 / 食道癌 / non-septic endotoxemia / translocation / Toxicolor法 / Endospecy法 / G因子活性化物質 |
研究概要 |
グラム陰性菌感染に基づくエンドトキシン(Et)血症やショックに対する根本的な治療法は未だ確立されておらず、Et血症は治療に極めて難渋する疾患の一つである。一方、lipopolysaccharideの疎水部分であるlipid AはEtの共通抗原とみなされるようになってきたため、Etの診断や治療の目的に我々は、このlipid Aに対するモノクローナル抗体の作製を試みたが、lipid Aを認識する抗体は得られなかった。ところで、食道癌術後早期の臨床像はEt血症が強く疑われるが、多くの場合Etの検出が困難であることから、最近、non-septic endotoxemiaと称せられるようになってきている。そこで我々は食道癌根治術群(食群)と肺葉切除群(肺群)の術前後におけるEt値とG因子活性化物質値の変動をToxicolor法(T法)とEndospecy法(E法)にて検討した。この結果、食群において、T法では術後第一病日にpeakに達し、以後漸減し術後第七病日にほぼ術前値に復帰した。E法では術後第一病日にnadirとなり、術後第三病日以降術前値にほぼ復帰した。つまり、術後第一病日にG因子活性化物質値がpeakとなるのに対し、Et値はnadirとなるmirror imageを示した。他方、肺群ではG因子活性化物質値、Et値の上昇は認められなかった。また、食道癌分割手術例の検討で、食道再建術の方が食道切除術より術後のEt値が高値を示す事を報告した(北村1987日消外会誌)。以上から、食道癌術後のnon-septic endotoxemiaの発生にはG因子活性化物質が重要な要因であると共に、腸管の関与、すなわちEtのtranslocationも重要な要因と推測された。また、translocationが発生しているにもかかわらず、一般にEtが検出されない理由として、translocationするEtの量と網内系を中心とするEt処理能のバランスにより、通常はEt血症が発生しないものと仮定出来る。そこで今後、G因子活性化物質の分離・同定と、家兎を用いたEt容量負荷実験を行う予定である。
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