研究課題/領域番号 |
04670763
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三條 健昌 東京大学, 医学部(病), 助教授 (90114503)
|
研究分担者 |
針原 康 財団法人冲中成人病研究所, 研究員 (10189714)
日下 浩二 東京大学, 医学部(病), 医員
三木 健司 東京大学, 医学部(病), 医員
坂本 裕彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (40196100)
|
キーワード | 肝移植 / 異種移植 |
研究概要 |
臨床応用にはまだ時間のかかると思われていた異種肝移植であるが、今年度米国ピッツバーグ大学ではヒヒからヒトへの肝移植が、またカリフォルニアでは緊急避難的とはいえブタからヒトへの肝移植が実際に行われた。世界的にドナー不足は深刻な状況にあるので異種肝移植の必要性は今後さらに高まると考えられ、この面での研究の重要性が改めて痛感させられた。 今年度はハムスターからラットへの異種同所性肝移植モデルを確立した。150g程度の体重のハムスターから230〜270gのラットへの異種肝移植がモデルの収率からみて適当と思われた。ラットに比してハムスターは小体重であるがラットに用いるカフと同様のものでカフ法による肝移植が可能であり、また肝臓の大きさに違いはあるがレシピエントの腸管のうっ血の所見もなくモデルとして使用可能と考えられた。現在までのところ移植後の免疫抑制剤の投与は行っていないのでコントロール群となるが、この免疫抑制剤未使用群の生存期間は6日から9日であった。 今後は各種免疫抑制剤、放射線照射、脾臓摘除、抗接着分子抗体などの免疫抑制療法を試みてこのconcordantモデルにおける生着期間の延長を図っていくと同時に、異種肝移植における免疫担当細胞の動態についても合わせて検討していきたいと考えている。 適当な免疫抑制療法により長期間の生着が得られる異種肝移植モデルが確立できれば、さらにラットに移植されたハムスターの肝臓が合成する本来ラットにはないはずの異種アミノ酸、異種タンパクなどのレシピエントへの影響も検討していきたいと考えている
|