脂肪肝の虚血認容性をラット肝虚血モデルを用いて検討し以下の結果を得た。虚血障害肝のviabilityの指標として胆汁流量の回復率が有用で、viabilityの良い肝ほど胆汁流量の回復率が良好であった。また血漿アミノ酸分析においてはアラニン、グリシン、メチオニン、芳香属アミノ酸、総遊離アミノ酸量が胆汁流量の回復率と有意な負の相関を示し、これらのアミノ酸値が虚血障害肝のviabilityの指標として有用であることが示唆された。Superoxide anionの特異的な消去酵素であるsuperoxide dismutaseをリポソーム化したliposomal encapsulated superoxide dismutase(以下、L-SOD)の投与により、肝虚血再潅流後の血清逸脱酵素(GOT、GPT、LDH)が低値となり、胆汁流量の回復率が高値となることより、L-SODは肝虚血再潅流障害時における肝保護効果のあることが示唆された。脂肪化の程度と虚血耐用性の変化を検討するため、コリン欠乏食投与期間によりラットを以下の3群に分けて検討した。I群:正常肝群、II群:軽度脂肪肝群、III群:高度脂肪肝群。虚血時間は60分間とし、虚血後1週間の生存率はI、II、III群でそれぞれ、100。75、0%であり、I、II群はIII群に比し有意に高かった。胆汁流量の回復率はI、II、III群でそれぞれ、52、34、11%であり、各群間に有意差を認めた。肝組織中ATP量およびTotal adenine nucleotidesは虚血前、I群はII、III群に比し有意に高く、再潅流後60分でも、I群はII、III群に比して有意に高値であった。以上の結果より肝虚血耐用性の低下は肝の脂肪化が軽度の場合には少ないが、脂肪化が高度の場合には著しい事が示唆された。しかし肝組織中高エネルギー燐酸化合物の面より検討すると脂肪化が軽度であっても肝エネルギー状態は低下していることが示唆された。
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