研究課題/領域番号 |
04670781
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
具 英成 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40195615)
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研究分担者 |
笠原 宏 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (10243304)
斎藤 洋一 神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
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キーワード | 大量肝動注化学療法 / 肝静脈分離・活性炭吸着法 / 肝癌 / 集学的治療 |
研究概要 |
本研究では肝静脈分離・活性炭吸着による大量肝動注化学療法を軸とする肝癌集学的治療の確立を目指し実験、臨床両面からの検討をすすめている。まず、今年度の実験的検討の成果としては、本法下で吸着除去が可能な制癌剤として既に明らかとなっているアドリアマイシン,マイトマイシンCおよびシスプラチンに加えて5-FUが使用可能なことを確認した。またこれら主要制癌剤の肝組織摂取率を本法下で検討したところ従来の報告と異なり、シスプラチンでは低いことが判明し、その結果については日本消化器病学会誌に掲載した。一方、臨床的検討としては減量肝切除との併用療法や皮下埋め込みリザーバーを用いた少量間歇的肝動注療法を本法施行後の維持療法とする集学的治療を実施し、その成績評価を行なっているところである。また現時点での治療成績については肝細胞癌および大腸癌肝転移例につき各々、European Journal of Surgical Oncology(掲載予定)およびAnnals of Surgery(投稿中)に論文を送付し、世界的レベルでの評価を得るべく報告を重ねている。今後の本研究の方向性としては、カテーテルシステムの改良により年技をさらに簡便化するとともに、温熱療法をはじめとする補助療法と組み合せた積極的治療をすすめ、進行肝癌に対する有効な治療体系を確立したい。とくに、温熱療法については、大腿動脈-肝動脈加温バイパス法を目下開発中であり、その成績については雑誌「肝臓」に掲載が予定されている。残る研究期間中にこうした新しい治療法を臨床応用し、成績の向上をはかりたい。
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