研究課題/領域番号 |
04670781
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
具 英成 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40195615)
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研究分担者 |
笠原 宏 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10243304)
黒田 嘉和 神戸大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70178143)
斎藤 洋一 神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
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キーワード | 大量肝動注療法 / 肝静脈分離・活性炭吸着法 / 肝癌集学的治療 / 化学療法 |
研究概要 |
本研究では肝静脈分離・活性炭吸着(HVI・DHP)による大量肝動注療法を軸とする肝癌集学的治療の確立を目指し、平成4年度以来実験、臨床両面から検討を重ねてきた。現時点までの臨床的検討では本法の肝癌に対する著しい抗腫瘍効果を実証できた。当該年度ではこれらの成績を踏まえ、本法を強力な導入療法として位置づけ、奏効例では生存期間及び奏効期間をさらに延長する目的で皮下埋殖型カテーテルシステムを用いた少量間歇動注を維持療法として併用しその効果を検討した。その結果、本法と少量間歇動注併用例では腫瘍直接効果の増強に加えて生存期間も大幅に延長する傾向が認められた。とくにこれらの有効例の中には肝内多発病巣が完全に消失した症例もあり、肝癌治療における強力な緩解導入療法とそれに引き続く適切な維持療法の重要性が明らかになった。これらの臨床成績については第42回、第43回の日本消化器外科学会(ワークショップ及びシンポジウム)を中心に逐次報告を重ねてきた。また国際的にも広く普及を図る目的で大腸癌肝転移及び肝細胞癌に対する治療成績を総括し各々、米国誌Annals of Surgery及びSURGERYに目下投稿中である。今後は本法の手技の簡便化と安全性をさらに向上させ、反復治療による肝癌治療成績のさらなる向上をはかることが重要な課題と考えている。一方HVI・DHP大量肝動注療法による肝障害については慢性肝炎、肝硬変などの併存肝病変を有する例でも耐容できることが本研究で明らかになった。今後反復治療を実施する上で、肝機能に及ぼす影響をさらに詳細に検討することを予定している。
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