肝温虚血再灌流障害に対するFK506の効果を以下の実験を行い検討した。 1、31P-MRSを用いて高エネルギー燐酸代謝の経時的測定。 2、レーサードップラー血流計による肝組織血流量の経時的測定。 3、再灌流後24時間の血清酵素値、実験動物の生存率。 4、HE染色による肝組織像の検討と免疫組織染色による血管内皮上接着分子ICAM-1の発現の検討。 その結果、FK506を用いることにより肝の温虚血再灌流障害は有意に軽減され、再灌流後24時間の血清酵素値の上昇も抑制され、実験動物の生存率も改善された。またその機序については、再灌流後の肝組織血流の回復の改善が考えられ、これには血管内皮等に発現される接着分子の発現を抑制する事が関与している可能性が示唆された。
|