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1992 年度 実績報告書

癌関連遺伝子の発現からみた食道癌発生並びに進展形式に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670787
研究機関九州大学

研究代表者

桑野 博行  九州大学, 医学部, 助手 (90186560)

研究分担者 池部 正彦  九州大学, 医学部, 医員
安達 洋祐  九州大学, 医学部, 助手 (90221043)
キーワード食道癌 / 癌遺伝子 / c-myc / In situ hybridization / 免疫組織化学 / 分子生物学
研究概要

1)食道癌症例の手術標本から可及的速やかに癌組織を採取し、一晩固定後、凍結保存あるいはパラフィン包埋した。期間中に40例の標本を収集しえた。
2)食道癌発生との関連が示唆されているc-myc、EGF、EGFRのcDNAを鋳型として非放射性標識物質digoxygeninを用いてランダムプライマー法にてDNAプローブを作製した。同様に大腸菌のcDNAプローブに対して標識化し、コントロール用プローブとした。
3)5μm切片を作製し、標識化c-mycプローブを用いてIn situ hybri-dizationを行った。シグナルは細胞質内にスポット状の淡い発色として認められた。陽性細胞の癌組織内での局在は大部分の症例で癌胞巣にびまん性にみられ、特に胞巣の辺縁付近に強い傾向があった。また一部の症例では癌胞巣の一部分のみに陽性細胞が検出された。隣接正常組織においては全例正常上皮の基底細胞層にもシグナルを認めた。症例によっては癌組織よりも強いシグナルがえられたものもあった。
4)3)と同じ切片とともにホルマリン固定パラフィン包埋ブロックから異型上皮、上皮内癌部の切片を作製し抗c-mycモノクローナル抗体を用い酵素抗体法にて組織化学染色を行った。染色パターンは核主体に染色されるもの、細胞質主体、および双方が染色されるものがあった。陽性率は異型上皮、上皮内癌で20%、浸潤癌では100%であり浸潤癌の大部分では細胞質にシグナルがみられた。正常上皮では全例基底細胞層において核に強いシグナルが見られた。染色パターンの相違は組織固定条件による違いの他に、蛋白のde novo synthesisを反映していることが考えられた。
5)現在、c-myc以外のプローブについても研究進行中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 桑野 博行: "癌関連遺伝子産物および臨床病理学的見地からみた食道癌発生に関する研究" 日本外科学会雑誌. 93. 937-939 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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