研究課題/領域番号 |
04670788
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
片野 光男 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (10145203)
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研究分担者 |
阿部 雅光 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (20136427)
久保田 英朗 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (50170030)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 悪性腫瘍 / OK-432 / サイトカイン / 養子免疫療法 / 腫瘍内投与 / 単核球 / TGIF / 凍結脾細胞 |
研究概要 |
前年度の基礎的検討の結果に基づき、サイトカイン産生単核球の腫瘍内投与を1)胃癌を中心とする消化器癌症例、2)再発および手術不能脳腫瘍症例、3)進行口腔領域癌症例に対して実施し、安全性および臨床効果について検討した。結果:1)胃癌患者10症例について術前末梢血より分離したOK-432処理単核球(10^7細胞)を胃内視鏡にて胃癌局所に投与。5-12日目に切除胃を病理学的に検索。1例に腫瘍消失、1例に広範囲壊死、2例に部分壊死を認めた。その後更に12例において実施。2例に広範壊死、2例に部分壊死を認めた。計22症例を通じ発熱等の副作用は認めていない。また、1例の胃癌術後の肝転移再発症例に対し術前凍結保存したOK-432刺激脾細胞を肝動脈より投与し、増殖速度の低下が観察された。2)口腔領域癌においては現在まで18症例に対し自己単核球の腫瘍内および支配動脈よりの投与を完了。内9例において切除標本の病理検索が終了しているが、3例にCR、6例にPR、1例にMRを認めている。また嚢胞形成型の腫瘍症例において単核球投与後腫瘍縮少とともに嚢胞内液の腫瘍マーカーの低下が認められた。更に、凍結保存した他家単核球を2症例に投与したが2例ともに明らかな腫瘍縮小効果が認められ、1例においては治癒切除術が施行された。これらの投与を通じ一過性の発熱以外特に記載すべき副作用は認められなかった。3)脳腫瘍に対しては現在まで5例の患者に対しオンマイヤーのリザーバーより単核球を投与し、投与局所での多サイトカインの産生、腫瘍の壊死性変化、生存率の有意の延長(コントロール12か月に対し治療群は約26か月)が確認された。但し、発熱、血圧低下などの副作用が出現し今後の課題である。
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