研究課題/領域番号 |
04670793
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
星野 正美 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60165545)
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研究分担者 |
井上 典夫 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10223265)
浦住 幸治郎 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90203603)
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キーワード | cancer / metastasis / platelet / Tx-A_2 / PAF antagonist / Tx-A_2synthecase inhibitor / OKY-046 / TCV-309 |
研究概要 |
新しい血小板凝集阻害剤であるOKY-046(トロンボキサンA_2(TxA_2)合成阻害剤)とTCV-309(血小板活性化因子阻害剤)の癌の肝転移予防効果およびその機序を検討することを目的として以下の2つの実験を施行した。実験1:日本白色家兎を用いて、VX2腫瘍細胞浮遊液を門脈内に注入することにより癌肝転移モデルを作製し、腫瘍細胞注入前後にOKY-046あるいはTCV-309を門脈内に持続注入して、腫瘍細胞移植3週後の肝表面における腫瘍結節個数を計測し、OKY-046あるいはTCV-309の腫瘍結節個数に及ぼす影響につき比較検討した。更に抗癌剤の併用投与における効果についても検討した。実験2:単層培養したヒト血管内細胞の上に、ヒト乳癌細胞株MCF-7を重層培養して内皮細胞下に形作られたMCF-7のコロニー数を計測することにより腫瘍細胞の血管内皮細胞への浸潤能を計測し、この浸潤能に及ぼすOKY-046ないしはTCV-309の効果につき、これら薬剤を培養液中に種々の濃度で添加することにより検討した。 結果:実験1 OKY-046は腫瘍移植3週後の肝表面腫瘍結節個数を対照に比べ有意(P<0.05)に減少させたが、TCV-046持続注入(腫瘍移植後2日間)終了翌日からの抗癌剤の併用投与は極めて強く肝転移結節個数を減少させ、その減少効果は抗癌剤単独投与では腫瘍細胞を移植直後から投与した効果に匹敵するものであった。実験2 血小板の関与しない血管内皮細胞と腫瘍細胞の重層培養においてもOKY-046は容量依存性にMCF-7の内皮細胞下のコロニー数を有意に減少させたが、TCV-309にはこの効果は認められなかった。考察:今回の実験結果からは血管内に注入された腫瘍細胞が血管壁外つまり標的臓器内へ浸潤するためには腫瘍細胞あるいは血小板の出すTx-A_2が極めて重要な役割を有することが明らかとされ、少なくとも術中の腫瘍細胞の散布は防止し得る可能性が示唆された。
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