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1993 年度 実績報告書

マイクロスフェア化抗癌剤による癌性腹膜炎の治療効果増強と副作用の軽減

研究課題

研究課題/領域番号 04670795
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

萩原 明郎  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90198648)

研究分担者 高橋 俊雄  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50079828)
キーワードマイクロスフェア / 癌性腹膜炎 / 抗癌剤 / ドラッグ・デリバリー・システム
研究概要

癌性腹膜炎に対する新しい剤形として抗癌剤(シスプラチン、メトトレキセート、5FU)を封入した乳酸オリゴマーマイクロスフェアを開発した。
[1]シスプラチン封入マイクロスフェア(CDDP-MS)
ラットの腹腔内投与時の体内薬物動態を、CDDP-MSとシスプラチン水溶液の間で比較検討した。CDDP-MSでは腹腔内でのシスプラチン濃度はシスプラチン水溶液の場合に比較して有意に高く、一方末梢血中の濃度は有意に低値であった。
BDF1マウスを用いた急性毒性の検討では、リッチフィールド-ウイルコクソン法で測定したCDDP-MSのLD50値は23.8mg/kgで、シスプラチン水溶液のLD50値の13.5mg/kgに比較して1.8倍と、CDDP-MSの安全性がシスプラチン水溶液に比べて極めて高いことが明らかになった。またその際の中毒症状や病理組織学的所見などから、CDDP-MSへの剤形変更による新しい毒性の発現は無いことが判った。
M5076マウス腫瘍を用いた実験的癌性腹膜炎モデルによるCDDP-MSの治療効果をシスプラチン水溶液と比較検討した。CDDP-MSでは同じ毒性を有するシスプラチン水溶液に比較して有意に大きな治療効果をしめした。
[2]5FU封入マイクロスフェア、メトトレキセート封入マイクロスフェア
生食中でのマイクロスフェアからの薬剤成分の放出速度を検討したところ、これらの薬剤成分は3週間にわたって徐放性に放出されることが判った。現在、封入効率の向上につき改良を加えるとともに、ラットの体内での濃度分布の時間的変化について検討中である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Akeo Hagiwara et al: "Pharmacologic effects of cisplatin microspheres on peritoncal careinomatosis in rodents." Cancer. 71. 844-850 (1993)

  • [文献書誌] 萩原明於ほか: "DDSを応用した癌治療の進歩--胃癌の治療--" 外科治療. 69. 154-158 (1993)

  • [文献書誌] 萩原明於ほか: "癌の局所治療--腹膜内投与法--" 癌治療と宿主. 5. 277-282 (1993)

  • [文献書誌] Akeo Hagiwara et al: "Toxicity of a new dosoge format,cisplatin incorporoted in locticacid oligomer microspheres,in mice." Anti-Cancer Drugs. 3. 237-244 (1992)

  • [文献書誌] Chouhei Sakakura et al: "Controlled release of cisplatin from lactic acid loigomer microspheres incorporoting cisplotin in vitro studies." Journal of Controlled Release. 22. 69-74 (1992)

  • [文献書誌] 萩原明於ほか: "ドラッグデリバリーシステムを利用した胃癌の化学療法" BIO medica. 7. 1416-1419 (1992)

  • [文献書誌] Akeo Hagiwara: "Recent advances in management of digestive concers" UICC(Toshio Takahashi,Ed.), 867 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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