妊娠100〜120日の羊2頭を用いて、胎仔に対して子宮内手術により左肺動脈を下行大動脈に端側吻合をおこなった。胎仔の体重は約1500グラムと極めて小さく、子宮内操作であるために視野が大変狭く、手術操作には新生児用の特殊な器機を必要としたため、補助金で購入し、今後の手術の便に供した。 胎仔に対する手術を完了し母羊の子宮内に還納し経過を観察したが、2頭とも術後1日で子宮内死亡となった。実験数をふやし手術手技に習熟する必要性が痛感された。今年度の実験数が2頭であったのは妊娠羊の供給が極めて悪かったのも、その一因である。実験動物として、妊娠羊ばかりでなく4月以降も入手可能な妊娠山羊を用いての実験の継続を検討している。実験動物として羊と山羊の両者を用いることが可能となれば、羊を用いた実験では3ヵ月しかとれなかった実験期間を大幅に延長することが可能となるものと期待される。
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