研究課題/領域番号 |
04670817
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中村 千春 山形大学, 医学部, 助教授 (80113968)
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研究分担者 |
島貫 隆夫 山形大学, 医学部, 助手 (90211284)
深沢 学 山形大学, 医学部, 助手 (90218876)
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キーワード | 人口径人工血管 / 腹腔内マクロファージ / 人工血管移植術 |
研究概要 |
本研究は、腹腔内に埋め込みハイブリット化した小口径人工血管の、血管移植術后抗凝固能及び開存性に関し、動物実験にて検討する事を目的とした。 1.腹腔内埋め込み日数の決定; 麻酔した日本白ウサギ(3〜3.5kg)の腹腔内に、宇部興産社製ウーブンダクロン人工血管、径3.5mm(年度途中より、同径のGolaski社製ニットダクロンに変更)を埋め込み、術后4、7、14日目に取り出し、光顕にて内腔面を観察した。術后7日目には、腹腔内マクロファージ、線維芽細胞と考えられる細胞層及び、結合織により内腔面は完全に被覆されていた。フィブリン平板法により、埋め込み人工血管内腔面に線溶活性を認めたため、埋め込み日数は7日間と決定した。 2.人工血管移植;ウサギ腹部大動脈に、腹腔内に7日間埋め込んだ人工血管を移植した(埋め込み群、4例)。処置をしていない人工血管をコントロールとして移植した(コントロール群、6例)。移植術中、埋め込み群2例、コントロール群2例が死亡。死亡原因は、吻合部出血、大動脈遮断によるAcidosisの進行であった。 3.手術后経過と開存性; 移植術后生存例全例が両下肢麻卑をきたした。コントロー群手術生存例全例が術后3日目以内に死亡。人工血管は、全例充満した凝血塊により閉塞していた。埋め込み群生存例2例中1例は、術后7日目まで生存したため、同日犠牲死させた。人工血管内腔面への血栓付着は極めて少なく、開存していた。 本年度は、実験動物にウサギを選択したため、手術操作中の死亡率が高く、実験系の確立に至らなかったため、年度途中より、次年度予定であったイヌの大腿動脈への移植に変更し、イヌにおける上記実験を施行中である。
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