研究課題/領域番号 |
04670824
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
尾上 雅彦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90214197)
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研究分担者 |
杉田 隆彰 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30235882)
渡田 正二 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90191816)
森 渥視 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80026971)
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キーワード | Nd-YAGレーザー / 心房細動 / 外科治療 / 心外膜アプローチ法 / 心房隔離法 |
研究概要 |
実験1【方法】5頭の雑種成犬に対して全身麻酔、人工呼吸下に胸骨正中切開を行い、心臓を露出した。右心房、左心房、右心室に微小双極電極を縫着し、電気生理学的検査を行った。次に心外膜側からNd-YAGレーザーを照射し、右心房自由壁を心臓の他の部位より隔離した。照射後、再度電気生理学的検査を行った。また'照射前後に右心房の組織内血流量、組織内、ATP、ADP、AMP、乳酸を測定した。 【結果】レーザー照射前後で洞調律は保たれており、また房室伝導も保たれていた。右心房は電気的に隔離されており洞調律時に右心房の電位は記録されなかった。右心房のペーシングでは、興奮は電導せず、高頻度刺激で右心房に固有調律を認めた。レーザー照射前後で心房の組織内血流量は平均175ml/min/100gから140ml/min/100gまで減少した。また組織内乳酸は119μmol/gから650μmol/gに増加し、ATPは1.86μmol/gから0μmol/gまで減少した。 【結論】Nd-YAGレーザー照射によって右心房の電気的隔離は可能であった。また隔離された右心房の血流は維持されているが、おもにテベシアン静脈を介した静脈血によるものであろうと推測された。以上、本法によって、右心房に起源をもつ心房粗細動を治療し得る可能性が示唆された。 実験2慢性心房細動犬作製のため右鎖骨下動脈-右心房吻合術が試みたが、いまだ長期生存を得ていない。今後アコニチンを用いた心膜炎犬モデルを検討したい。
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