1。重症筋無力症患者筋肉におけるアセチルコリンリセプターのmRNAの測定 胸腺腫のアセチルコリンリセプターのメッセージを測定する前に、筋肉のアセチルコリンリセプターのメッセージについて検討した。胸腺摘出術時に採取した筋肉よりRNAを抽出し、αサブユニットのcDNAをプローブとしてノザンハイブリダイゼーションによりアセチルコリンリセプターの遺伝子の表現を正常筋肉と比較検討した。重症筋無力症患者は機能的に徐神経された状態と考えられるが、正常筋肉で徐神経の状態で増加することが報告されているアセチルコリンリセプターのαサブユニットのメッセージは正常筋肉とくらべ減少していた。このことは、重症筋無力症患者は機能的徐神経に対し、アセチルコリンリセプターの合成を増加させることで反応することができないことを示唆している。γおよびεサブユニットの増加に関しては現在検討中である。 2。胸腺腫におけるアセチルコリンリセプターのmRNAの検出 胸腺腫より抽出したRNAからアセチルコリンリセプターαサブユニットのメッセージは弱く検出限界以下であった。そこでreverse PCRを用い、αサブユニットのcDNAを増幅し、ノザンハイブリダイゼーションにより検出を試みている。
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