研究課題/領域番号 |
04670828
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山下 長治郎 神戸大学, 医学部, 助手 (00144569)
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研究分担者 |
岡田 昌義 神戸大学, 医学部, 教授 (70030856)
石井 昇 神戸大学, 医学部, 講師 (10168172)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | アイゼンメンガー症候群 / 肺移植 / 犬 / 肺高血圧 |
研究概要 |
【目的】 Dehydromonocrotaline 3.0mg/kgを幼若犬に投与することによって、8週間後には1)2000dyn・s・cm・5を超える肺血管抵抗の上昇、2)右室肥大、3)肺細小動脈の中膜肥厚の3条件を満たす肺高血圧犬モデルが作製できた。このモデルは一側肺動脈閉塞により容易に急性右心不全に陥る病的モデルであった。このモデルにおいて体外循環使用下に左片肺植を行い、移植後急性期の血行動態を非肺高血圧犬と比較検討した。【方法】6頭の犬にdehydromonocrotaline 3.0mg/kgを右房内投与したところ8週間後には収縮期肺動脈庄が2273から6078mmHg、肺血管抵抗が324780から23887441dyn・s・cm・5に上昇した。肺高血圧犬6頭のうち5分間の左肺動脈閉塞試験に辛うじて耐えた1頭に補助循環を用いず左片肺移植を施行したところ、移植操作中に右心不全のため死亡した。他の5頭は右房脱血、上行大動脈送血において新生児用膜型肺を用いて部分体外循環使用下に左片肺移植を施行した(PH群)。一方、6頭のcontrol犬には従来の方法で左片肺移植を施行した(C群)。【結果】PH群において体外循環を使用すると右心不全の症候は認められず、体外循環からの離脱は容易であった。移植前後の循環呼吸動態を以下に示す。 ----------------C群 移植前→移植後2h--PH群 移植前→移植後2h sPAP 22±3→29±7 60±8→43±7 mBP 113±18→108±16 95±13→95±14 PVR 324±80→631±100 2388±441→1657±437 SVR 5630±691→211±44 6043±1207→5893±1191 left PA flow(%) 35±7→24±5 32±4→53±8 PH群では移植後の肺湿乾重貴比はgraft肺がnative肺より有意に高値を示した(6.3±1.0vs4.6±0.5)。【結果】Dehydromonocrotalineにより作製された肺高血圧犬において体外循環の使用下に片肺移植を実施した。移植後急性期には肺血管抵抗、肺動脈圧の低下、血流のgraft肺へのシフトが認められ、肺高血圧に対する片肺移植実験がより臨床に近い形で実施できた。
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