低温心筋虚血に対するAdenosine reguration agentの心筋保護効果の実験的検討 -AcadesineとNucleoside transport inhibitorの併用効果- 1.Adenosine regulating agentによる低温心筋虚血に対する心筋保護効果についてラットの摘出還流心を用いて検討した。Adenosine regulating agentとして、虚血中にAdenosineを蓄積する効果を有するAcadesineとAdenosineの血管内皮への輸送を阻害し心筋内Adenosineの崩壊と流出を抑制するNucleoside transport inhibitorを心筋保護液中に添加した。左室内にラテックスバルーンを挿入し、左室内圧とその一次微分値を測定した。虚血前後での心機能を測定し、その回復率を求めた。 2.AcadesineとNucleoside transport inhibitorの単独投与では、低温心筋虚血に対し保護効果を示さなかったが、両者の併用により虚血終了時のAdenosineの有意の増加を認め、再灌流後の心機能は他群と比べ良好であった。 3.虚血中にAcadesineの作用により蓄積されたAdenosineが、Nucleoside transport inhibitorの作用によりその崩壊が抑制された結果と考えられた。
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