研究概要 |
I〕雑種成犬を用い、臨床に準じた方法で、虚血再灌流の実験を行い、フリーラジカルスカベンジャーとしてSODまたはcatalaseの心筋保護効果としての有効性を立証した。(平成4年度) II〕wistar系ratを用い、isolated working heart model装置を使い、細胞膜イオンブロックによる心筋保護効果の解析を施行した。 【.encircled1.】NI^〓をOM(A群)、100uM(B群)、1uM(C群)(各群〓=5)各々含むSt,Thomas液を注入して心停止後、37℃35分間の虚血とし、虚血再灌流前後の心機能回復率を求めた。その結果B群ではA、C群と比較して有意の上昇(P<0.05)を認め、Ni^〓によるNa^+-Ca^〓交換機構の抑制が、心筋機能回復を好転させる因子となることが推察された。 【.encircled2.】心筋保護液としてSt.Thomas液(ST群)、St.Thomas液中のCl^-のうち40、80、120mMをlactobionateにて置換した群を、それぞれL40群、L80群、L120群とし、37℃35分間の心停止を行い、心機能の回復率を検討した。その結果L40群でST群に比し有意な(P<0.01)心機能回復率を示し、Cl^--blockerとしてlactobionateの心筋保護効果が認められた。
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