研究課題/領域番号 |
04670845
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
関 淳二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (20163082)
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研究分担者 |
高見沢 計一 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (10163312)
松田 武久 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)
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キーワード | 血管壁弾性 / 拍動流 / 乱流遷移 / レーザドップラ流速計 / 脈波伝播 / 伝播速度 / ネットワーク構築 / 自然発症性高血圧 |
研究概要 |
本研究では血流に及ぼす血管弾性の影響を流体力学的立場から解明することを目的とし、今年度は以下に述べるように大動脈における乱流の発生成長などに関するin vitro実験及び、微小血管における脈波伝播現象に関するin vivo実験を行った。 大きな動脈における血流をシュレートするとともに理想的な十分発達した流れを得るため、大型拍動流路を用いて種々の条件の拍動流を発生させ、モデル血管内部の流れについてレーザドップラ流速計による精密な計測、解析を行った。特に拍動流における乱流遷移に焦点を絞り、振幅を一定に保ったまま平均流量を増大させていくと、あるレイノルズ数(遷移レイノルズ数)を越えると流れの減速期に部分的に乱流状態が発生する。周波数パラメータ5.9、変調レイノルズ数880の場合に遷移レイノルズ数の値は2400となり、定常流の場合(2000)より大きくなった。即ち拍動流の下で乱流遷移が抑制されることが分かった。 微小血管における脈波伝播に関しては、光ファイバ型レーザドップラ流速計顕微鏡を用いた血流速度の高精度計測によって、ラット腸間膜及び脳軟膜の微小血管において脈波伝播速度の計測を行った。どちらの組織においても直径10から50mumの細動脈において、数cm/sから100cm/s程度の脈波伝播速度が得られ、おおきな動脈と同程度であることが分かった。更に精確な弾性率の推定を行うため、同一血管上の上下流2点における血流速度の同時計測が可能な2点レーザ流速計顕微鏡を開発し、ラット腸間膜微小血管において測定を開始した。
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