クモ膜下出血後の脳槽脳脊髄液における脳血管攣縮惹起物質について

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 04670856
• 研究機関: 岐阜大学
• 研究代表者: 山田 弘 岐阜大学, 医学部, 教授 (40021365)
• 研究分担者: 西村 康明 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (60198512)
• キーワード: くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / 培養平滑筋細胞 / 細胞骨格蛋白質

研究概要

当初の計画にもとづき、SAH患者脳脊髄液中に存在する、培養平滑筋細胞ホスホリパーゼC系の活性化物質の単一精製を行った。この物質は、いまだ部分精製の状態であり電気泳動状ヘモグロビンと似たパターンを示した。またモノQカラムおよびセファロース12カラムにて精製した部分精製品でも一過性の細胞内カルシュウムイオンの上昇およびホスホリパーゼCの活性化を認め、SDS-PAGE上分子量8万の蛋白質であった。また、SAH患者脳脊髄液に存在する培養平滑筋細胞内カルシュウムイオンが一過性に上昇しホスホリパーゼC系の活性化物質の単一精製すると共に、カルシュウムイオンの上昇に引き続く細胞内変化についての研究を行った。まず、カルシュウムイオンの上昇に引き続き活性化されると予想されるカルシュウム依存性酵素による平滑筋細胞骨格蛋白質の変化を調べた。その結果、アクチン、ビメンチン、ミオシン等、細胞骨格系蛋白質が、ヘモグロビンの濃度依存的に崩壊し、in vivoにても同様の変化を認めた。

研究成果

• [文献書誌] Toshihiko Nakashima et al: "Phospholipase C activity in cerebrospinal fluid following subarachnoid hemorrhage related to brain damage" J.of Cerebral Blood Flow and Metabolism. 13. 255-259 (1993)
• [文献書誌] 竹中勝信: "クモ膜下出血後の脳血管攣縮に関する研究" 岐阜大学医学部紀要. 41. (1992)
• [文献書誌] 深沢誠司 et al: "培養平滑筋細胞収縮弛緩反応検討用改良型シリコン膜モデル" 脳神経外科速報. 3. 1049-1053 (1993)
• [文献書誌] Kastunobu Takenaka et al: "Biological activity of the endothelin family in cultured basilar arterial smooth muscle cells" Neurological Research. 15. 29-32 (1993)
• [文献書誌] 安藤隆 et al: "後床突起下のbasilar artery aneurysmに対するpterional approachの応用" 脳卒中の外科. 21. 225-229 (1993)
• [文献書誌] T Iwai et al: "Hypothermic prevention of the hippocampal damage following ischemia in morgollian gerbils comparison between intraischemic and brief postischemic hypothermia" Life Sciences. 52. 1031-1038 (1993)
• [文献書誌] Yasuhiko Kaku: "Cerebral Vasosposm" J.Max Fi, 4 (1993)