研究課題/領域番号 |
04670872
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
戸谷 重雄 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40051205)
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研究分担者 |
白尾 智明 群馬大学, 医学部, 教授 (20171043)
池田 圭朗 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10222879)
戸田 正博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20217508)
植村 慶一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90049792)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | ドレブリン / 細胞接着 / 細胞骨格蛋白 / 神経発生 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
ドレブリンは神経系の発生過程で特徴的に発現する蛋白質であり、ヒト及びラットでは2種類のアイソフォームE、Aよりなるが、そのうち成熟後にも存在するドレブリンAは神経特異蛋白であり、分化した神経細胞のみに特異的に発現されている。 まず、ヒト神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞をレチノール酸(RA)によって分化させた。未分化SH-SY5Y細胞では、ドレブリンは細胞質内に斑点状に存在し、ストレスファイバー(SF)上においても連続性を持たずに点状にのみ存在した。分化して突起を伸展したSH-SY5Y細胞では、細胞体および突起の細胞膜近傍に局在が変化し、F-アクチンと共在したが、このF-アクチンはアクチンの脱重合剤サイトカラシンDに対して、SFを形成するF-アクチンよりも安定性が高かった。このことはドレブリンがアクチンの重合状態に影響を与えている可能性を示唆している。また、蛋白リン酸化酵素阻害剤k-252aによってもRAの場合と同様の変化がみられ、RAによるドレブリンの膜近傍への局在の変化には蛋白リン酸化酵素活性の阻害が関与すると推測された。 次に非神経細胞であるL細胞にドレブリンA遺伝子を導入してドレブリンを発現させたところ、SFは太く束状になって蛇行する、あるいは網目状のアクチン線維に変化し、ドレブリンが共在した。ドレブリン発現細胞では、サイトカラシンDに対して接着斑が安定化しており、同時にビンキュリン発現量の増加が確認された。ドレブリンはアクチンの重合状態を変化させることによってアクチン線維の形態のみならず接着斑の状態にも影響を与えている可能性が示唆された。
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