研究課題/領域番号 |
04670874
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
新井 一 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
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研究分担者 |
門田 静明 順天堂大学, 医学部, 助手 (60204517)
宇藤 章 順天堂大学, 医学部, 助手 (10185051)
安本 幸正 順天堂大学, 医学部, 助手 (20175649)
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キーワード | 培養神経細胞 / グルタミン酸 / カルシウム / 海馬 / グリア / 細胞死 / 神経保護作用 / 脳虚血 |
研究概要 |
ラット胎仔海馬より樹立した培養神経細胞を用いて、グルタミン酸及び低酸素無グルコース負荷に伴う神経細胞障害の成立機序を細胞内Ca^<2+>濃度の変動と細胞の形態学的変化に注目し検討、以下の知見を得た。 (1)グルタミン酸の添加や低酸素無グルコース負荷は、神経細胞内のCa^<2+>濃度を漸次上昇せしめたが、その後、これら細胞を正常環境に戻しても24時間後には細胞障害が発現した。これらグルタミン酸による細胞障害は濃度依存性の変化であった。 (2)神経細胞とグリア細胞とのco-cultureは、グルタミン酸負荷による神経細胞内のCa2+濃度の上昇を抑制しなかったが、細胞障害の発現を明らかに抑制した。 (3)IL-1、IL-6存在下に培養した神経細胞にグルタミン酸負荷、低酸素無グルコース負荷を加え、その際の細胞内Ca^<2+>濃度の変動と神経細胞障害の発現について検討した。IL-1、IL-6の前処置は、グルタミン酸負荷、低酸素無グルコース負荷による神経細胞内のCa^<2+>濃度の上昇とその後の細胞障害の発現を抑制することはなかった。近年、IL-6に神経栄養因子様作用があること、また、IL-1刺激によりアストロサイトーマ細胞にIL-6mRNAが発現することが報告されている。しかし今回の実験結果からは、インターロイキンがグリア細胞の介在による神経細胞保護作用の成立に何らかの役割を果たしている可能性は否定的であった。
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