研究概要 |
平成5年度は、各種増殖因子を発現している培養細胞を用いて各種増殖因子に対する中和モノクロナール抗体をカクテルして用いた場合のin vitroの腫瘍増殖抑制効果の再現性を確認すると共に、in vivoでも腫瘍増殖抑制効果が得られることを確認する実験を施行した。 すなわち、十種類の悪性グリオーマ培養細胞の中からcnzymeimmunoassay法で選択されたEGF-R,FGF,PDGFの3種類の増殖因子を同時に発現しているD-251MG細胞を用いて、その細胞に対する増殖抑制効果を3種類それぞれの増殖因子に対するモノクローナル抗体を同時に作用させたカクテル投与の場合と、同様のモノクローナル抗体を個々に作用させた場合とを比較検討した。その結果、MTT assayでは3種類の抗増殖因子抗体を個々に用いた場合の最大増殖抑制効果が70%であったのに対して、3種類のカクテル療法の場合は86%まで抑制された。^〓Hthymidinc incorporation assayでは、同様に3種類の抗増殖因子抗体個々の作用では最大増殖抑制効果が60%であったのが、カクテル療法では90%にまで達した。また、その最大増殖抑制効果を得る至適抗体量も16.7mug/ml程度であることがほぼ判明した。さらに、このU-251MG細胞を用いたin vivoの実験もすでに進行中であり、増殖抑制効果が得られることはほぼ判明したが、RIをラベルした中和モノクローナル抗体を用いてbiodistributionを検討することにより腫瘍への選択的集積性の相違を明らかにする実験は現在まだ検索中である。
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