研究概要 |
Brain-derived neurotpophic factor(BDNF)はin vitroでventral midbraina由来あのdorpaminergic neuronの存在を直接促進する。今回我々はBDNFのdopaminergic neuronに対するin vivoでの作用をサルParinson病モデルにて検討した。BDNFはCHO cellにBDNF cDNAをtransfectしてその細胞培養液により得た。成熟ニホンザル(n=9)を3群かに分け1-methyl-4-pheny-1,2,3,6-tetrahyadropyridine(MPTP)4mgを静脈投与し、直後より3匹にはBDNFをchick dorsal root ganglionに対する作用がNGF約30ng/ml相当量を30倍濃縮したものを脳内注入し、group Iとした。3匹には対象群としてBDNF cDNAを組み込んできる同細胞培養液同量をosmotic minipumpを用いて2週間にわたり脳室内に持続投与し、group IIとした。残る3匹は無処置とした(group III)。2週間神経所見の解析を行なった後、脳を4%formalinにて湿潤固定しH-E染色およびtyrosine hydroxylase(TH)に対するmonoclonal抗体を用いた免疫組織染色を行なった。group Iおよびgroup II間で神経学的徴候の有意な差を認め、黒質におけるneuronの減少、胞体のshrinkageにも統計学的差異を認めた。以上の結果より、BDNFはMPTPによるサルParkinson病モデルに対し神経学的徴候の面でも組織学的所見の面でも、予定効果を持つことが示唆された。今後例数を増やしさらに検討する予定である。
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