研究課題/領域番号 |
04670881
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
後藤 澄雄 千葉大学, 医学部, 講師 (10143273)
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研究分担者 |
山縣 正庸 千葉大学, 医学部, 助手 (00220244)
田川 雅敏 千葉大学, 医学部, 講師 (20171572)
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キーワード | 脊柱靭帯骨化症 / 後縦靭帯骨化症 / 細胞培養 / 骨芽細胞 / twyマウス / コラーゲン / アルカリフォスファターゼ / 副甲状腺ホルモン(PTH) |
研究概要 |
ヒト脊柱靭帯由来の培養細胞を用いた実験では、脊柱靭帯骨化症患者由来の細胞は敷石状で多角形の形態を示し、紡錘形で線維芽細胞様の形態を有する非骨化症由来の細胞とは異なっていた。また、骨化症由来細胞は非骨化症由来細胞と比較してアルカリフォスファターゼ活性(ALP)が高く、副甲状腺ホルモン(PTH)添加に対して細胞内cAMPの産生がみられ、細胞が産生するI型コラーゲンの量がPTHにより調節されていた。しかし、骨化症および非骨化症由来の細胞ともに骨基質特異蛋である0steocalcinの合成はみられなかった。以上により、骨化症の靭帯由来細胞は非骨化症のものとは異なり、骨芽細胞様の形態と性状を示し、このことが脊柱靭帯骨化症の全身的骨化素因のひとつである可能性が示唆された。 実験モデル動物であるー遺伝性に骨軟骨の異常増殖をきたすーtwyマウスのcalvaria由来培養細胞を用いた実験では、コントロールであるICRマウスとその性状を比較した。その結果、twyマウスではコラーゲン合成の選択的亢進が存在することと、ALP活性の調節系に異常が生じている事が判明した。我々の以前の硬組織学的研究ではtwyマウスでは骨代謝の亢進が確認されており、今回の培養細胞の性質はこのことを反映する結果と考えられた。
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