研究課題/領域番号 |
04670895
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山鹿 真紀夫 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90145318)
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研究分担者 |
片岡 泰文 熊本大学, 医学部, 助手 (40204416)
森澤 佳三 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50174412)
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キーワード | 神経束内血流 / 神経上膜下血流 / 水素クリアランス法 |
研究概要 |
肩・肩甲帯関節は、他四肢関節にくらべ牽引の刺激を受け易く、それに伴うシビレ・痛みが出現する。我々は、上肢の牽引刺激による神経への影響について検討を加えた。動物モデルとしてRatの橈骨尺骨末端に鋼線牽引を刺入し側方外転80度にて牽引した。これらにより、肉眼的に、腕神経叢造影においても正中神経が直線的に伸びているのが確認された。同モデルは、手術侵襲が極めて少なく、神経周囲に影響を与えず、頻回刺激が可能で筋肉や、靭帯の保護下にあるモデルとして生理的に近い動物モデルと考えている。 鋼線刺入部より荷重負荷(350gのRatに0gから600gまで負荷)を加えると正中神経の伸び率は、直線的に負の相関が見られた。 神経周囲の血流変化について吸入式水素クリアランスを用いて測定した。牽引刺激下において神経上膜下組織は、荷重により直線的に減少がみられたが、神経内組織血流は35%の減少にとどまり、神経上膜下組織の血流減少率よりも神経内組織の血流減少率は緩やかであった。これは、脊髄からのinter neural vesselからの恒常性の維持作用が考えられ、上肢の牽刺激に対して血管の二重支配により血流の保持機構が働くことが予想された。 したがって、これら虚血変化による症状の誘発症状の他になんらかのfactorが存在すると考え、現在軸索流の変動を橈側手根屈筋内にHRPを注入し脊髄前角細胞にて陽性細胞数の計測により検討中である。 さらに、交感神経機能的形態異常をsucrose-potassium phosphate-glyoxylicacid(SPG)法を用いて検討中であるが、現在のところ明らかな変化を見いだしていない。
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