本年度はFischer系ラットの同系間T遊離神経移植と血管柄付神経移植の軸索再生速度の違いを比較した。 判定はCAT活性(コリンアセチルトランスフェラーゼ活性)、神経断面の光顕的検索、脱神経、再生神経による支配筋肉湿重量の相違でみる事にした。又電気生理学的検索としてM波の導出を追加した。 実験は遊離神経移植群はFischer系の7Wラットの坐骨神経に1cmの欠損をつくり、そこに他のFischer系7Wラットの坐骨神経1.2cmを授取し、10.0ナイロン系で縫合、移植した。 血管柄付移植群は坐骨神経の栄養血管である後大腿動静脈をつけて、大腿動静脈を柄とし、ドナーの大腿動静脈と吻合、神経の処理は遊離神経移植群と同様とした。 血管柄付植群に関してはその血行動態をマイクロアンギオグラフィーで確認した。 基礎的実験として正常のFischer系7Wラットの坐骨神経の神経伝導速度CAT活性、腓腹筋の湿重量を計測した。 神経伝導速度は平均41mm/sec、CAT活性は6500、腓腹筋の湿重量は1.43gであった。 その他の結果については、現在統計学的処理中である。
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