研究課題/領域番号 |
04670937
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伊吹 京秀 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90232587)
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研究分担者 |
中川 博美 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00237231)
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90167578)
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キーワード | 成人呼吸窮迫症候群 / ARDS / マクロファージ / リポゾーム |
研究概要 |
成人呼吸窮迫症候群(以下ARDS)は集中治療の分野で予後不良の呼吸器疾患として現在最も注目されている疾患である。本研究においては細菌感染症とARDSの関係に注目し、特に肺において感染防御機構としても免疫応答機構としても重要な機能を有するマクロファージの関与を中心に研究を進めてきた。ARDSの成因についてはここ20年来、様々な検討がなされてきたが未だに解明されない多くの問題点が残されており特にマクロファージの関与については不明の点が多い。申請者らは初年度の目標として胚胞マクロファージ除去モデルおよび胚胞マクロファージ強化モデルの作成に取り組んだ。前者についてはリポゾームに封入したクロドロン酸投与により、全身の単球系には影響を与えず、また肺への白血球遊走も惹起せずにほぼ95%以上の胚胞マクロファージを除去するモデルを確立した(未発表)。特に投与法については直接胚胞内投与、エアゾル投与など様々な方法を検討しエアゾル投与の有用性を確認した。さらに次年度ではこのモデルを用いて、緑膿菌感染症に続発するARDSに対するマクロファージの影響を検討する予定である。またインターロイキン10投与によるマクロファージ機能抑制についても検討を加える予定である。一方、マクロファージ強化モデルについてはGM-CSF投与、インターフェロンγ、TNF投与などを検討中であるが現在のところ、最良のモデルは得ていない。特にこのモデルの開発はARDSの治療とも密接に関連しておりその成果が期待される。
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