研究概要 |
本研究は、BBN(n-Butyl-N-(4-hydroxybutyl)nitrosamine)膀胱化学発がん動物(wistarラットおよびC3H1Heマウス)において化学発がんに際しての、膀胱移行上皮における、がん遺伝子rasおよびがん抑制遺伝子p53の塩基配列の変異を、遺伝子増幅法(PCR-SSCP)を含む分子生物学的手法により検討することを目的としている。現在ラットは実験開始後15週経過し、腫瘍の発生を確認している。p53およびrasにおける塩基列の変異については、これまでの報告よりホットスポットがあきらかであり、K-ras,N-ras,H-rasそれぞれにつきprimerを合成し、PCRにより増幅後、SSCP法による電気泳動により、変異の有無を検討する予定である。ラット及びマウスとも22週まで実験を継続し、コントロール,実験群より摘出した膀胱粘膜および腫瘍部におけるp53,rasの変異を検討する予定である。平成4年度については、発がん実験およびPCR-SSCP法を行う環境整備,実験条件の適正化に主に時間が割かれ、平成5年度に研究を終了する予定である。
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