研究課題/領域番号 |
04670954
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
風間 泰蔵 富山医科薬科大学, 附属病院・泌尿器科, 講師 (50152624)
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研究分担者 |
布施 秀樹 富山医科薬科大学, 医学部・泌尿器科, 助教授 (40143292)
片山 喬 富山医科薬科大学, 医学部・泌尿器科, 教授 (10009441)
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キーワード | 男性不妊 / 精索静脈瘤 / ライディッヒ細胞 / テストステロン / hCGリセプター |
研究概要 |
Sprague-Dawley系雄性ラットに、左腎静脈部分結紮を行なうことにより実験的精索静脈瘤を作成し、その内分泌学的影響につき検討した。精巣内温度は、術後全経過を通して精索静脈瘤群とsham operation群の間に統計学的有意差を認めなかった。Johnsen score countを用いた精巣組織の造精機能評価においては、術後2週目よりすでに軽度の両側性の障害が認められた。術後2週目、4週目における血中各種ホルモン値には、いずれもsham operation群との間に差を認めなかった。精巣より分離したLeydig細胞を培養し、そのテストステロン産生能を見たところ、HCG非添加時には術後2および4週目とも培養液中のテストステロン濃度には、精索静脈瘤群とsham operation群の間に差がなかった。しかしHCG 100mIU/ml,1000mIU/mlを添加した場合には、術後4週目のみにおいて精索静脈瘤群で左右精巣ともsham operation群に比し有意に低いテストステロン濃度を示した。左右精巣間には差はなかった。術後4週目において精巣より分離したLeydig細胞を用いて行なった [^<125>I]HCG binding assayでは、精索静脈瘤群の左右精巣ともsham operation群の精巣に比し有意に低い値を示した。また、同じく術後4週目で分離したLeydig細胞を用いて、dbc-AMP添加による培養液中へのテストステロン分泌能を検討したところ精索静脈瘤群左右精巣およびsham operation群精巣の間には差が見られなかった。以上の結果より、実験的左精索静脈瘤ラットでは、Leydig細胞におけるテストステロン産生のHCGに対する反応性が障害されることが判明した。また、この障害は左腎静脈結紮後4週目より出現し、精巣の造精機能障害がそれより早く出現していたことより考えて、このLeydig細胞機能障害が造精機能障害の原因ではないことが示唆された。テストステロン分泌のHCGに対する反応性低下の機序としては、HCGリセプター数の低下を介するものが示唆された。
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