研究課題/領域番号 |
04670959
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 弘治 名古屋大学, 医学部, 教授 (70023752)
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研究分担者 |
日比 初紀 名古屋大学, 医学部, 助手 (70242865)
山本 雅憲 名古屋大学, 医学部, 助手 (90191444)
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キーワード | 精巣 / 精巣上体 / 微小穿刺 / α-遮断剤 / 精子濃度 |
研究概要 |
アルファ遮断剤として、塩酸ブナゾシンをラットに一カ月3カ月および6カ月投与後精巣上体尾部における精子濃度(Microassay法)と精子の運動率(Distance Travel法)を測定した。その結果、投与期間が増大するにつれて、精子濃度は有意に上昇した。運動率に関しては、有意な差は認められなかった。一方、精巣レベルでの精子産生能に関しては、投与前後で有意な変化は認められなかった。更に組織学的に、HE染色を施し、精細管および精巣上体管の直径を測定し、その変化を調べたところ精細管の直径には変化は認められなかったが、精巣上体管の直径は有意に増大した。以上の結果より、塩酸ブナゾシンは精巣よりもむしろ、精巣上体に作用し、精巣上体管を拡張させ、精子濃度の増大に寄与しているものと考えられた。今後は、精細管及び、精巣上体管内圧をMicropressure法で測定し、その変化を調べる予定である。ベータ刺激剤に関しては、予備実験で、アルファ遮断剤との併用効果が乏しいことが明らかになったためアルファ遮断剤単独の実験を行った。更に、臨床的には、先天性精管欠損症に対し精巣上体より直接精子を採取し、IVFを行う際に、事前にアルファ遮断剤を投与し、精子数の増加を期待した。又、精索を電気刺激することにより、精巣上体からの精子回収が増大することに着目し、人精巣上体からの精子採取において、この方法を臨床応用することに成功した。
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