研究概要 |
〈目的〉自律神経作動薬の精子の質に対する影響は今まで報告されていない。そこで我々はαブロッカーがRat精巣上体での精子の質、精巣上体管内圧に対してどのような効果があるかを検討した。 〈方法〉塩酸ブナゾシンをSDRatに1mg/kg,2mg/kg,10mg/kgをそれぞれ一ヶ月間経口投与し、精巣上体管内液を微小穿刺法で採取した。精巣上体管内圧は同じく微小穿刺したマイクロピペットにmicropressure transducerを接続、測定した。精子の運動率はdistance travel法により測定、精子濃度はMaklar計算板にて測定した。また同時にdaily sperm productionも測定し精巣への影響も調べた。 〈結果〉精子濃度はαブロッカー投与にて著明に上昇したが、運動率には差がなかった。精巣上体管内圧は低下した。Daily sperm productionは上昇した。αブロッカー投与で精子濃度が上昇したのは1)精巣上体管が拡張することにより精巣上体管内液の流れが良好となること、2)精子の貯留するスペースが広がったこと、によると考えられた。またαブロッカーは精巣への影響も示唆された。
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