3年間を通じて浸潤性膀胱癌が少なく、なかなか思うように研究がすすまなかった。10例(腎癌4例、膀胱癌6例)の泌尿器科癌患者において、手術時採取した領域リンパ節は、新鮮凍結切片にて病理学的に転移がないことを確認して、ホモジネート後、リンパ球を分離した。分離したリンパ球は10単位のインターロイキン2と6%CO2、37℃の培養器内で4日間培養することでLAK細胞を誘導した。この誘導されたLAK細胞の殺細胞能は30-40%であったが、患者側の問題で全例生体投与は不可能であった。また、腎癌患者で3年間を通じて、4例ではあるが、末梢血リンパ球よりCTC細胞を誘導してみたところ、1例のみ自己癌細胞に対して30%の殺細胞能を有していた。また、この活性はCD3ブロッキングによりブロックされた。この症例は、CTL誘導時にOK-432を使用しており、0K-432の役割や分子レベルにおける解析も必要と考えている。このほかにインターフェロンなどのサイトカインを併用することで増強効果があるか否かも併せて確かめてみようと考えている。
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