研究課題/領域番号 |
04670969
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
真崎 善二郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40038716)
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研究分担者 |
佐藤 伸二 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10244013)
市木 康久 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (00193441)
井口 厚司 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (40136619)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 腎癌 / IL-6 / 腎癌転移 |
研究概要 |
腎癌36症例において末梢血、腎静脈血のGM-CSF、IL-2、IL-6を測定し、また摘出腎潅流液中の細胞診を行った。 1.IL-6は、末梢血では18例中11例(61.1%)、腎静脈血では17例中11例(64.7%)において有意に上昇していた。腎癌病理組織標本における組織学的深達度とIL-6値との関連をみると、pT2(10例)でのIL-6陽性率は末梢血で40%(4例)、腎静脈血で50%(5例)、pT3(4例)ではどちらも100%であり、深達度進行により陽性率が有意に上昇していた。また異型度ではGrade2がおのおの63.6%、72.7%、Grade3が50%、50%と異型度による差は認めなかった。また、浸潤増殖様式、静脈浸潤による検討では有意差はなかった。腎静脈血中IL-6値は末梢血中のそれと比較し約1.5倍の値を示し、患側腎からIL-6が分泌されているものと考えられた。以上より腎癌におけるIL-6は、腫瘍深達度の指標となりうる可能性が示唆された。 2.GM-CSFは11例測定したが、10症例は測定感度以下であり1症例のみ上昇を示した。しかし、上昇した症例は組織学的にも、臨床所見においても他に比べ特徴はなく、GM-CSFの測定意義は発見できなかった。 3.IL-2は11症例で測定したが、全例測定感度以下であった。 4.摘出腎癌の潅流中の細胞診の検討は22例に行い、脈管内遊離細胞の指標として白血球中に占める単核細胞の比率を計測した。腎manipulation前の潅流液中単角細胞の比率(%)は平均9.71【.+-。】4.77で、病理組織学的細胞型、異型度、深達度などとの関連は認めなかった。腎manipulation後の潅流液では12.93【.+-。】9.82であり、腎manipulation前と比較し有意差は認めなかった。血中腫瘍細胞の分離の困難なこと、またその同定の難しさのため、腎癌手術における術中の腎manipulationによる血管内腫瘍播種の危険性を示唆する結果は得られなかった。
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