研究概要 |
代表的な癌抑制遺伝子であるp53およびRB遺伝子は、それらの不活化が種々の悪性腫瘍の発生や進展に関与すると考えらている。 今回われわれは、ヒト膀胱癌の腫瘍組織におけるp53,RB遺伝子の異常とその意義を明らかにするため、RNA-SSCP法により解析を行った。p53遺伝子では、25例中6例(32%)に点突然変異が認められた。Grade別では、G1 1/9例,G2 1/8例,G3 4/8例で、Stage別では、pT_1以下2/17例、pT_2以上4/8例であった。またRB遺伝子では、現在までのところ15例中4例(27%)に異常が認められている。これらの結果よりp53、RB遺伝子の異常が、ヒト膀胱癌の進展等に関連する可能性が示唆された。 今後、さらに同一sampleにおける他の遺伝子異常(既に核内型癌遺伝子との相関については検討している)、増殖因子の発現と癌抑制遺伝子の発現と癌抑制遺伝子の異常との関係について検討する予定である。
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