研究課題/領域番号 |
04670982
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
東間 紘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90075549)
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研究分担者 |
伊藤 文夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20211683)
山崎 雄一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40200670)
中沢 速和 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00147381)
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キーワード | 腎細胞癌 / 後天性多嚢胞化腎(ACDK) / dipheny thiazole(DPT) / nitrosomorpholine(NNM) / 異形嚢胞 / 癌抑制遺伝子 / 癌遺伝子 |
研究概要 |
われわれはこれまでに経験した透析患者の腎細胞癌は19例であるがこのうち15例(78.9%)は後天性多嚢胞化腎(ACDK)に合併したものであった。ACDK合併の各腎につき全割標本を作製してその詳細な病理組織学的検討を行った結果、15例中13例(86.7%)に明らかな癌病変のほか、腺腫をはじめ嚢胞壁上皮のhyperplasiaやdysplasiaなどを伴った異型嚢胞を多数認めた。これは嚢胞の形成、嚢胞上皮の増殖が腺腫や癌の発性と密接に関連していることを示すものである。そこでわれわれは、ラット腎に短期間に多発性の嚢胞発生を誘導することが知られている化学物質diphenyl thiazole(DPT)と、同じくラット腎に腫瘍性病変を高率に惹起するhitrosomorpholine(NNM)を経口投与することにより、ACDKにおける発癌モデルの作成を試みた。 方法:5週令の雄SDラットに1%DPTを含む飼料を18週間投与した。このうちNNM投与群は、5-11週の7週間はNNM100mgないし200mg/Lを飲水に投与した。NNM投与前、投与終了時、投与終了7週後に腎を摘出し形態学的変化を観察した。 結果:NNM投与群において、NNM投与終了後7週間の腎尿細管上皮に一部増殖性のclearcellの出現を認たが、明らかな腫瘍性病変の発生は認めなかった。現在、NNM投与後の観察期間を22週以上に延長して検討するとともに、in situ hybridizationを行って遺伝子発現の変異につき検討している。
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