研究課題/領域番号 |
04670982
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
東間 紘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90075549)
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研究分担者 |
山崎 雄一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40200670)
伊藤 文夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20211683)
中沢 速和 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (00147381)
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キーワード | 腎細胞癌 / 後天性嚢胞性腎疾患 / diphenylthiazole / N-nitrosomorpholin |
研究概要 |
昨年度に引き続き、diphenylthiazole(DPT)投与により発生するラット後天性多嚢胞腎に対し、(1)嚢胞壁から癌の発生するモデルの作成、(2)DPTによる一次的変化の反映される『嚢胞形成初期』について、蛋白、遺伝子発現の変化についての検討を行った。【方法】(1)DPT投与によって嚢胞腎を形成したラットに、n-Nitrosomorpholin(NNM)を平行投与し、腺腫の発生頻度について、NNM投与終了後の観察期間により2群(観察期間20週の群並びに40週の群)に分け、検討した。(2)細胞外マトリックス構成要素の変化を検討するため、laminin、3型および4型collagenを免疫組織的に染色するした。またDPT投与後早期(7日以内)に特異的に発現量の変化する遺伝子をin vitro translation法、run-on transcription法、RNA differential display法を用いて検討した。【結果】(1)嚢胞壁から癌発生モデルについては、現在観察継続中である。(2)細胞外マトリックス構成要素の染色性について、DPT投与後その低下が認められた。また今回用いたmRNAからは、in vitro translation法で検出可能な蛋白の合成は行われなかった。run-on transcription法では、c-myc、c-fos、c-erbB2、fibronectin、collagen typeIVの各遺伝子の発現が、DPT投与後早期から著明に低下することが明らかとなった。またRNA differential display法により、DPT投与後早期より発現の変化する遺伝子として4候補を得、内2遺伝子についてはcDNAの部分的な塩基配列を決定し、未知のものである可能性が示唆された。現在そのcDNA全長のクローニングを進めている。
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