研究課題/領域番号 |
04670982
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
東間 紘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90075549)
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研究分担者 |
山崎 雄一郎 東京女子医科大学, 医学部 (40200670)
伊藤 文夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20211683)
中沢 速和 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (00147381)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 腎細胞癌 / 後天性嚢胞性腎疾患 / diphenylthiazole / N-nitrosomorpholine |
研究概要 |
透析患者の終末萎縮腎の約半数に後天性多嚢胞腎の合併を認めるが、更にこのような透析嚢胞腎病変には、腫瘍性病変が高率に合併することが明らかとなり、臨床上重要な問題となっている。diphenylthiazole(DPT)はラット腎に多発生嚢胞の発生を誘導することで知られているが、我々はこれを後天性多嚢胞腎のモデルとして利用し、さらに嚢胞壁から癌の発生するモデルの作成を試みた。また、このようなモデルにおける嚢胞の癌化過程の解析には、DPTによる嚢胞形成機序の解明が前提となる。そこで、DPTによる腎の一次的変化が反映される「嚢胞形成初期」に焦点をしぼり、この時期の遺伝子発現の変化について検討した。前者について、DPTの投与によって嚢胞腎を形成したラットに対し、発癌物質であるN-nitrosomorpholine(NNM)を投与し、その結果、10腎(5匹)の内2腎(2匹)に嚢胞壁から発生した腺腫を観察した。現在このモデルの再現性の確認を行っている。後者については、細胞外マトリックス構成の変化を検討するため、laminin、3型および4型collagenを免疫組織的に染色する一方、DPT投与後早期に特異的に発現量の変化する遺伝子をrun-on transcription法、cDNA-cDNA subtraction法、RNA differential display法を用いて検討した。その結果、c-myc、c-fos、c-erbB2を含め、様々な遺伝子が、DPT投与によって発現の低下することが明らかとなった。またこの様な遺伝子の候補として得られた4遺伝子の内、2遺伝子についてはcDNAの部分的な塩基配列を決定した。その塩基配列より、この2遺伝子については、未知のものである可能性が高い。今後も、DPT投与により発現量の変化する遺伝子の探索を進め、さらにNNM投与に特異な遺伝子発現についても同様に検討する予定である。
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